「山の近くでクマらしき動物を見た」「いわき市にもクマが出るの?」——近年、いわき市内でもツキノワグマの目撃情報が相次いでいます。
ツキノワグマはこれまで福島県の中通りや会津地方の山間部での生息が中心でしたが、浜通りのいわき市内でも目撃されるケースが増えています。
この記事では、いわき市公式情報をもとに、市内の目撃記録・遭遇時の正しい行動・通報先を詳しく解説します。
いわき市内のツキノワグマ出没状況と市の公式見解
市が公式に示しているツキノワグマの生息・定着に関する見解
いわき市の公式見解は以下のとおりです。
- ツキノワグマはこれまで福島県の中通りや会津地方の山間部でのみ生息が確認されていた
- 近年は浜通りでも目撃されている
- 本市内においてツキノワグマが生息(定着)している可能性は低い
- ただし、エサを求めて市域外から往来している可能性はある
つまり、いわき市にクマが「住み着いている」わけではないものの、他地域から移動してくる個体が出没しているというのが市の公式見解です。
なぜ浜通りでクマが目撃されるようになったのか
一般的には、近年全国的にツキノワグマの生息域が拡大している背景には以下の要因があると言われています。
- 山間部のドングリ等の木の実が不作の年に、エサを求めて山から下りてくる
- 農村部の過疎化・耕作放棄地の増加により、人里に近づきやすくなっている
- クマの個体数自体が増加している地域がある
※いわき市内でのツキノワグマの推定個体数・年間目撃件数の総計については、公式サイトに記載が確認されていません。
いわき市内のツキノワグマ目撃記録
確認されている主な目撃地区一覧
いわき市の防災メール・公式サイトで確認されている主な目撃情報は以下のとおりです。
| 目撃日時 | 目撃地区 | 備考 |
|---|---|---|
| 令和6年5月26日(日)13時頃 | 三和町下市萱字滝ノ上地区 | クマの目撃情報 |
| 令和7年7月28日 | 平田村(市境付近) | 足跡が三和町市境の採石場方向へ |
| 令和7年7月29日9時30分頃 | 三和町中三坂の国道49号 | クマらしき動物が道路を横切る |
| 令和7年7月31日 | 川前町下桶売地区 | ツキノワグマと確定 |
| 令和7年10月14日12時25分頃 | 内郷高野町北作地内 | ツキノワグマらしき野生生物 |
| 令和7年10月15日18時30分頃 | 常磐西郷町銭田地内 | ツキノワグマらしき野生生物 |
| 令和7年11月15日 | 常磐藤原町地区 | 同地区での2度目の目撃 |
| 令和7年11月25日18〜19時頃 | 常磐藤原町斑堂地内 | ツキノワグマらしき野生生物 |
目撃が多いエリア:三和町・川前町・常磐地区(西郷町・藤原町)。いずれも山間部に近い地区です。周辺に居住・通勤・レジャーで訪れる方は特に注意が必要です。
目撃情報の季節的な傾向
一般的には、全国的にツキノワグマの出没が増えやすい時期は以下のとおりです。いわき市内の目撃記録でも夏〜秋(7〜11月)に集中していることが確認できます。
- 冬眠明け後にエサを求めて活動が活発になる
- 冬眠前にエサを大量に食べる「秋の過食期」にあたり、人里への出没が増えやすい
いわき市内に生息する野生動物の種類
市が公式に記載している市内生息種一覧
いわき市は公式サイトで、市内には以下の野生生物が生息していると記載しています。これらに加え、近年はツキノワグマの往来も確認されています。
- タヌキ
- イタチ
- イノシシ
- サル
- アナグマ
ツキノワグマ以外に注意が必要な野生動物
- 農作物被害・遭遇時の危険に注意
- → いわき市のイノシシ捕獲報償金・わな貸出の詳細はこちら
- 農作物被害・威嚇行動に注意
- 捕獲許可は市長権限外・福島県が担当
- 市内で目撃情報が増加中
- 特別天然記念物のため捕獲・採取禁止
ツキノワグマと遭遇しないための事前対策
山間部・ハイキングコースに入る前の準備
一般的には、山間部や里山に入る際は以下の準備が推奨されています。
- クマ鈴やラジオを携帯し、自分の存在を音で知らせる
- 複数人での行動を心がける
- 単独での早朝・夕暮れ時の入山を避ける
- 地域の最新の目撃情報を事前に確認する(いわき市公式LINE・防災メール等)
クマ鈴・ラジオ等の効果と使い方
クマは基本的に人との遭遇を避ける傾向があります。音を出すことで人間の存在をクマに知らせ、不意の遭遇を防ぐことが目的です。クマ鈴は常時鳴らしながら歩き、風の強い日や川の音が大きい場所ではより大きな声かけを意識してください。
クマを誘引しないための生活習慣
山際の住宅・農地でクマを引き寄せないために、以下の点に注意してください。
- 生ごみや収穫後の農作物残渣を屋外に放置しない
- 柿・栗など野生動物が好む果物の実を放置しない
- 蜂の巣箱の管理に注意する(クマは蜂蜜を好む)
また、野生動物への餌付けは絶対に行わないでください。人慣れしたクマは非常に危険です。
ツキノワグマに遭遇してしまったときの行動
市が注意を呼びかけている行動指針
ツキノワグマを目撃した場合は、いわき市(0246-22-1111)または警察(110番)に通報するよう呼びかけられています。また、「いわき市・ツキノワグマ被害防止プラン」を参考に十分注意するよう案内されています。
至近距離で遭遇した場合の対処法
一般的には、クマと至近距離で遭遇した場合は以下の対応が推奨されています。
- 落ち着いてゆっくりとクマから離れる(走って逃げない)
- クマと目を合わせ続けない(挑発と受け取られることがある)
- クマに背中を向けない
- 荷物を置いて気をそらす方法が有効な場合もある
- クマスプレーを携帯している場合は、クマが突進してきた際に使用する(事前に使い方を確認しておく)
クマに追いかけられた場合にやってはいけないこと
- ❌ 全力で走って逃げる(クマは人間より走るのが速い)
- ❌ 大声を上げて興奮させる
- ❌ 川や崖に追い詰められる方向に逃げる
- ❌ 木に登る(クマも木登りが得意)
ツキノワグマを目撃したときの通報方法
いわき市への通報先(電話番号・受付時間)
| 通報先 | 電話番号 | 備考 |
|---|---|---|
| いわき市総合コールセンター | 0246-22-1111 | 平日・日中 |
| 環境企画課 | 0246-22-7441 | 平日・日中 |
| 警察 | 110番 | 緊急時・夜間休日 |
警察への通報が必要なケース
以下のような緊急性が高い状況では、警察(110番)への通報が呼びかけられています。
- クマが住宅地・人通りの多い場所に出没している
- 人への危害が生じた・生じるおそれがある
- 夜間・休日で市の窓口が対応していない
通報時に伝えるべき情報の内容
一般的には、通報の際は以下の情報を伝えるとスムーズに対応してもらえます。
- 目撃した日時
- 目撃場所(住所・目印になる建物・道路名など)
- クマの大きさ・色・行動の様子
- 人への危害の有無
- 通報者の連絡先
ツキノワグマの捕獲許可はどこが担当するか
いわき市長の権限外である理由
ツキノワグマの捕獲許可は、いわき市長への権限移譲の対象外です。いわき市長が捕獲許可を発行できる鳥獣はイノシシ・ハクビシン等に限られており、ツキノワグマ・カワウ・ニホンジカについては市長が許可を出すことができません。
福島県が担当する鳥獣の種類と相談先
ツキノワグマに関する捕獲許可・対応は福島県いわき地方振興局県民生活課が担当します。
| 相談内容 | 電話番号 |
|---|---|
| ツキノワグマの捕獲・対応(平日) | 0246-24-6203 |
| 夜間・休日の緊急連絡 | 0246-24-6250 |
捕獲までの流れ
一般的には、ツキノワグマの捕獲対応は以下の流れで進みます。
- 市民から目撃情報が通報される
- 市・福島県が情報を共有・現地確認
- 捕獲の必要性を判断
- 福島県が捕獲許可を発行・対応
※いわき市内でのツキノワグマの実際の捕獲件数・捕獲後の処置については、公式ページに記載が確認されていません。
いわき市「ツキノワグマ被害防止プラン」の概要
プランの目的と位置づけ
いわき市は「ツキノワグマ被害防止プラン」を策定・公開しており、市民への周知と被害防止を目的としています。プランの詳細はいわき市公式サイト(環境企画課ページ)で確認できます。
市民が知っておくべきプランの内容
プランの具体的な内容(捕獲目標数・対策エリア・行動指針の詳細)については、いわき市公式サイトのプラン本文をご確認いただくか、環境企画課(0246-22-7441)へお問い合わせください。
ニホンカモシカとの見分け方
市内で目撃情報が増えているニホンカモシカ
いわき市内各所でニホンカモシカの目撃情報が増えています(2024年8月更新)。ニホンカモシカは特別天然記念物に指定されており、捕獲・採取は法律で禁止されています。
ツキノワグマとニホンカモシカを間違えないためのポイント
| 特徴 | ツキノワグマ | ニホンカモシカ |
|---|---|---|
| 体型 | ずんぐりとした大型・四足歩行 | スリムな中型・四足歩行 |
| 毛色 | 黒色(胸に白い三日月模様) | 灰褐色〜白色系 |
| 角 | なし | あり(短い) |
| 動き方 | どっしりとした歩行・走行 | 軽快な歩行・ジャンプが得意 |
遠目で「クマかもしれない」と感じた場合は、近づかずにその場から離れ、念のため環境企画課または警察へ通報することを推奨します。
よくある質問
いわき市内でクマが出るエリアはどのあたり?
確認されている目撃情報では、三和町・川前町・常磐地区(西郷町・藤原町)での目撃が複数報告されています。いずれも山間部に近いエリアです。市街地での目撃は現時点では確認されていませんが、エサを求めて移動するため、山際のエリアでは注意が必要です。
クマを見たが通報する必要はある?
通報してください。いわき市(0246-22-1111)または環境企画課(0246-22-7441)への通報が呼びかけられています。目撃情報を市が把握することで、周辺住民への注意喚起や対応判断に活用されます。
クマに遭遇したら死んだふりは有効?
ツキノワグマに対して死んだふりは有効ではないとされています。これはヒグマとの混同による誤解が広まったものです。ツキノワグマは好奇心が強く、動かない対象にも攻撃を続けることがあります。ゆっくりと後退して距離を取ることが基本です。
ツキノワグマはいわき市に定着しているの?
市の公式見解では「定着している可能性は低い」とされています。ただし、令和7年7月31日に川前町下桶売地区での目撃が「ツキノワグマ」と確定されており、エサを求めた往来は実際に起きています。山間部に近いエリアでは引き続き注意が必要です。
相談・通報先まとめ
| 相談・通報内容 | 連絡先・電話番号 |
|---|---|
| ツキノワグマ目撃通報(平日) | 環境企画課 0246-22-7441 |
| 緊急時・夜間・休日 | 警察 110番 |
| ツキノワグマ捕獲許可・対応 | 福島県いわき地方振興局県民生活課 0246-24-6203 |
| 夜間・休日(福島県) | 同警備員室 0246-24-6250 |