「川で見たことのないカメがいた」「庭に外来種らしき植物が生えてきた」——いわき市内でも、外来生物の目撃情報が年々増えています。
外来生物の中には法律で飼育・運搬・放出が禁止されているものもあり、知らずに触ったり持ち帰ったりすると罰則の対象になるケースもあります。
この記事では、いわき市公式情報をもとに、市内で確認されている外来生物の一覧・発見時の正しい対応・通報方法を詳しく解説します。
外来生物・特定外来生物とは何か
外来生物の定義(外来生物法による)
外来生物とは、アメリカザリガニやアライグマのように、もともと日本にいなかったのに、人間の活動によって海外から入ってきた生物のことをいいます。日本の野外に生息する海外起源の生物の数は、わかっているだけでも約2,000種にのぼります。
なお、渡り鳥・海流にのって移動してくる魚や植物の種など、自然の力で移動してくるものは外来生物には当たりません。外来生物が侵入すると、在来の生き物を食べて生態系のバランスを崩したり、近縁の在来種と交雑して在来種の遺伝的な独自性が失われたりする問題が起きます。
特定外来生物に指定されると何が禁止されるか
外来生物のうち、生態系・人の生命や身体・農林水産業へ被害を及ぼすもの(またはそのおそれがあるもの)は、外来生物法により特定外来生物に指定されています。指定されると以下の行為が原則禁止となります。
- ❌ 飼育・栽培・保管・運搬の禁止
- ❌ 輸入の禁止
- ❌ 譲渡し・引渡し・販売の禁止
- ❌ 野外への放出・植栽・播種の禁止
※野外で捕まえた特定外来生物をその場ですぐ放すことは規制対象外です(キャッチ&リリースも対象外)。ただし、持ち帰ること(運搬)は禁止されています。
違反した場合の罰則について
特定外来生物の規制に違反した場合、法律により罰せられます。知らなかったでは済まされないため、発見時の対応を事前に把握しておくことが重要です。
いわき市内で確認されている特定外来生物の一覧
平成18年度福島県調査で確認された10種類
福島県が平成18年度に実施した調査によると、いわき市内では以下の10種類の特定外来生物の生息・生育情報が確認されています。
| 分類 | 種名 |
|---|---|
| 哺乳類 | アライグマ |
| 鳥類 | ガビチョウ |
| は虫類 | カミツキガメ |
| 両生類 | ウシガエル |
| 魚類 | ブルーギル |
| 魚類 | オオクチバス(ブラックバス) |
| 植物 | オオキンケイギク |
| 植物 | オオハンゴンソウ |
| 植物 | ナルトサワギク |
| 植物 | アレチウリ |
令和3年度いわき市生き物調査の対象外来種
令和3年度にいわき市が実施した生き物調査では、以下の外来種が調査対象となっています。
- アレチウリ
- オオキンケイギク
- オオハンゴンソウ
- ナルトサワギク
- セイタカアワダチソウ
- ウチダザリガニ
- アメリカザリガニ
- アライグマ
- ハクビシン
調査データの限界と現状の注意点
平成18年度の調査はすでに約20年前のデータです。令和3〜5年度の生き物調査が実施されていますが、詳細な確認頭数・生息エリアの最新マップは公式サイトに掲載が確認されていません。
一般的には、外来生物は年々分布域が拡大する傾向があるため、平成18年度に確認されなかった地域でも現在は生息している可能性があります。見慣れない生き物を発見した際は、まず環境企画課への通報をご検討ください。
カミツキガメ|いわき市内の目撃記録と発見時の行動
令和3〜5年の市内目撃記録(場所・日付)
いわき市内では、以下の日時・場所でカミツキガメの目撃・捕獲情報が報告されています。特に新川・夏井川周辺での目撃が複数確認されており、水辺付近では特に注意が必要です。
| 日時 | 発見場所 |
|---|---|
| 令和3年7月21日(水) | 平字作町三丁目地内(新川付近) |
| 令和4年6月27日(月) | 常磐関船町地内 |
| 令和5年6月5日(月) | 新川(夏井川合流地点付近) |
| 令和5年9月19日 | 内郷御厩町地内(新川近く) |
カミツキガメの危険性と特徴
カミツキガメは外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。夜行性であり水中で人が危害を受けることはほとんどありませんが、陸に上げられた個体は攻撃的で、咬まれたりひっかかれたりすると大けがをするおそれがあります。
発見したときに絶対にやってはいけないこと
- ❌ 素手で触る・捕まえようとする
- ❌ 持ち帰る(運搬は法律で禁止)
- ❌ 他の場所に移動させる
通報先と連絡方法
カミツキガメを発見した場合は、環境企画課(0246-22-7441)またはいわき市公式LINEの「鳥獣被害・目撃通報」から通報してください。
※通報後に市が回収に来るかどうか、具体的な回収体制については公式ページに記載が確認されていません。
外来カミキリムシ(3種)の危険性と発見時の対応
特定外来生物に指定された3種の名前と指定日
令和5年9月1日より、以下の外来カミキリムシ2種が新たに特定外来生物に指定されました(クビアカツヤカミキリは既指定)。いずれも飼養等・輸入・譲渡し・放出等が原則禁止されています。
- サビイロクワカミキリ(令和5年9月1日指定)
- ツヤハダゴマダラカミキリ(令和5年9月1日指定)
- クビアカツヤカミキリ(既指定)
街路樹・庭木への被害メカニズム
これらの外来カミキリムシは、幼虫が街路樹等の内部を食い荒らすことにより、樹木が枯死してしまい、倒木等を引き起こす可能性があります。住宅地の街路樹や公園の木にも被害が及ぶおそれがあるため、早期発見・早期防除への協力が呼びかけられています。
発見したときの対応(生きたまま移動禁止の理由)
これら3種の個体を発見した際は、生きたままでの移動等を行わないよう注意してください。移動させることで感染域が拡大するおそれがあります。発見した場合は環境企画課(0246-22-7441)へ通報してください。
被害を受けた樹木のサインの見分け方
一般的には、外来カミキリムシによる被害を受けた樹木には以下のようなサインが見られることがあります。気になる症状を発見した場合は環境企画課へ相談することをおすすめします。
- 幹に不自然な穴や木くずが確認できる
- 樹木の一部または全体が突然枯れ始める
- 幹の表面にヤニ(樹液)が出ている
アカミミガメ・アメリカザリガニの規制
令和5年6月1日からの「条件付特定外来生物」指定の内容
外来生物法の改正に伴い、アカミミガメとアメリカザリガニは令和5年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました。「条件付特定外来生物」とは、特定外来生物の規制の一部を当分の間適用除外とする生物の通称で、法律上は特定外来生物に該当します。
禁止される行為(放出・販売・購入等)
令和5年6月1日以降、以下の行為が許可なしに禁止されています。
- ❌ 野外への放出
- ❌ 輸入
- ❌ 販売・購入
- ❌ 頒布(配布・譲渡)
現在飼育中の個体はどうすればいいか
一般家庭において現在飼育している個体については、令和5年6月1日以降も引き続き飼育は可能です。ただし、野外に放出することは禁止されています。飼いきれなくなっても、川や池に放さないでください。
子どもが捕まえてきた場合の対処法
子どもが野外でアカミミガメやアメリカザリガニを捕まえてきた場合、その場で放すことは規制対象外です。しかし、持ち帰って飼育した後に野外に放すことは禁止されています。
一般的には、飼育が難しい場合は引き取りを行っているペットショップや動物園に相談する方法が全国的に取られています。いわき市内での引き取り先については公式記載がないため、環境企画課(0246-22-7441)への相談をご検討ください。
アライグマ・ハクビシンへの対応
市はアライグマ・ハクビシンの駆除を行わない
いわき市は公式サイトで、アライグマ・ハクビシンの駆除は行っていないと明記しています。目撃通報は受け付けており、情報は普及啓発や土地・施設管理者への情報提供に活用されます。ただし、通報したからといって駆除が必ず行われるわけではありません。
アライグマ・ハクビシンの駆除・追い出し・侵入経路封鎖については、民間の害獣駆除業者への依頼が現実的な対応となります。
→ 市の窓口が対応しない害虫・害獣トラブル|業者依頼が必要なケース一覧
捕獲許可は市長が出せるが市自身は動かない構造の理由
ハクビシン等の捕獲許可はいわき市長が発行できます。しかし、あくまでも「捕獲を行う人・業者への許可発行」であり、市の職員が直接駆除に出向くわけではありません。自分でわなを設置して捕獲したい場合は、環境企画課(0246-22-7441)に捕獲許可申請の相談をしてください。なお、小型動物用のわな貸出についても環境企画課が窓口です。
アライグマ・ハクビシンが住宅に侵入した場合の対処法
一般的には、アライグマ・ハクビシンが天井裏・床下・屋根裏に侵入している場合、以下の対応が取られています。侵入が疑われる場合は、早期対応が被害拡大を防ぐポイントです。
- 侵入口の特定と封鎖(業者による調査が確実)
- わなによる捕獲(捕獲許可の取得が必要)
- 忌避剤の設置(効果は限定的な場合もある)
民間業者に依頼する場合のポイント
一般的には、アライグマ・ハクビシンの駆除を民間業者に依頼する場合は以下の点を確認することが推奨されています。
- 捕獲後の処理(どこに連れて行くか)まで対応しているか
- 侵入経路の封鎖工事も含めた見積もりになっているか
- 再発保証の有無と期間
ナガミヒナゲシの注意点と駆除方法
ナガミヒナゲシの特徴と繁殖力
ナガミヒナゲシはヨーロッパ地中海沿岸を原産とする一年草で、4〜5月頃にポピーに似たオレンジ色の花を咲かせます。
- 1個体から最大15万粒の種が生産可能で繁殖力が非常に強い
- 根から他の植物の生育を妨げる成分を分泌し、在来の生態系に悪影響を及ぼすおそれがある
- 現時点では環境省の「生態系被害防止外来種リスト」に未掲載(特定外来生物にも未指定)
有毒乳液による皮膚かぶれのリスクと対処法
ナガミヒナゲシは茎や葉を折ると有毒の乳液を分泌します。直接触れると皮膚がかぶれる場合があります。作業時は必ずゴム手袋などで手を保護してください。
自宅敷地内での正しい駆除手順
自宅の庭など管理地内で見つけた場合は、できる範囲で駆除していただくよう、いわき市から協力が求められています(法的義務ではありません)。
- ゴム手袋・長袖を着用してから作業する
- 開花前(種ができる前)に根ごと引き抜く
- 種が飛散しないようビニール袋に入れて密閉する
- 燃えるごみとして処分する
ごみとして処分する際の注意点
駆除したナガミヒナゲシは、種が飛散しないようビニール袋に入れた状態で燃えるごみとして処分してください。堆肥として使用すると種が発芽する可能性があるため注意が必要です。
いわき市への特定外来生物の通報方法
Web・LINEからの通報手順
いわき市内で特定外来生物を目撃した場合は、以下の方法で市に通報できます。通報の際は発見日時・場所・生き物の種類(不明な場合は写真)を記録しておくとスムーズです。
- いわき市公式サイト内の通報フォームから入力
- いわき市公式LINE → 「くらしの防災」→「通報」→「鳥獣被害・目撃通報」
通報後に市が行うこと・行わないことの違い
通報いただいた情報は、特定外来生物に関する普及啓発および土地・施設管理者への駆除に係る情報提供に活用されます。ただし、通報しても駆除が必ず行われるわけではありません。特に、アライグマ・ハクビシンについては市は駆除を行わないと明記されています。
通報しても駆除されない場合の次の手
市による駆除対応が期待できない場合は、以下の選択肢が一般的に取られています。
- 土地・建物の管理者として自ら捕獲許可を申請する(環境企画課へ相談)
- 民間の害獣駆除業者に相談・依頼する
外来生物を「飼わない・持ち込まない・放さない」
外来種被害予防三原則とは
外来種による被害を防ぐための基本原則として、以下の3点が呼びかけられています。
- 飼わない:特定外来生物を飼育・保管しない
- 持ち込まない:外来生物を野外に持ち込まない
- 放さない:飼育している生き物を野外に放出しない
ペットとして飼っていた生き物を手放したいときの対処法
飼育していた生き物を手放したい場合でも、野外への放出は法律で禁止されています。全国的に取られている対処法としては以下があります。
- 元のお店やブリーダーに引き取りを相談する
- 動物園・水族館の引き取りプログラムを探す
- 自治体の引き取り窓口に相談する
※いわき市内での具体的な引き取り先については、公式ページに記載が確認されていません。環境企画課(0246-22-7441)へ相談してください。
よくある質問
川でカミツキガメを見た。触っても大丈夫?
絶対に触らないでください。陸に上がったカミツキガメは攻撃的で、咬まれると大けがをするおそれがあります。発見したらその場を離れ、環境企画課(0246-22-7441)またはいわき市公式LINEで通報してください。
アライグマが庭に来ている。市に駆除してもらえない?
いわき市はアライグマの駆除を行わないと公式に明記しています。目撃通報は受け付けていますが、駆除対応は保証されません。捕獲を希望する場合は捕獲許可申請(環境企画課へ相談)か、民間の害獣駆除業者への相談をご検討ください。
ミドリガメ(アカミミガメ)を飼っているが今後どうすればいい?
令和5年6月1日以降も、現在飼育中の個体は引き続き飼育できます。ただし、野外への放出は禁止されています。最後まで責任を持って飼い続けてください。手放したい場合は野外に放さず、引き取り先を探してください。
外来カミキリムシに木が食われているようだが、どこに相談すればいい?
環境企画課(0246-22-7441)へご連絡ください。発見した木の場所・状況の写真があると対応がスムーズです。
相談・通報先まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当部署 | 環境企画課 環境保全係 |
| 電話番号 | 0246-22-7441 |
| FAX | 0246-22-1286 |
| LINE通報 | いわき市公式LINE「スマホ市役所」→ 鳥獣被害・目撃通報 |