「畑がイノシシに荒らされた」「家の近くでイノシシを見かけた」——いわき市内では、山に近い住宅地を中心にイノシシの目撃情報が増えています。
イノシシは正しく対処すれば安全に遠ざけることができますが、間違った行動をとると逆に危険な状況を招くこともあります。
この記事では、いわき市公式情報をもとに、イノシシと遭遇したときの正しい行動・市の支援制度(捕獲報償金・わな貸出・捕獲許可)・自分でできる被害対策まで詳しく解説します。
いわき市内のイノシシ出没状況
市が公式に認めている出没エリアと現状
いわき市は公式サイトで、現在市内の山に近い住宅地やその周辺でイノシシが頻繁に目撃されていると発表しています。山間部だけでなく、住宅地の近くにまでイノシシが出没しているのがいわき市の現状です。
いわき市内でイノシシが増えている背景
一般的には、全国的にイノシシの生息域が拡大している背景には以下の要因があると言われています。
- 農村部の過疎化・耕作放棄地の増加
- 山林の手入れ不足による藪の拡大
- 温暖化による生息域の北上
※いわき市内のイノシシの推定生息数や年間被害件数・被害金額については、公式サイトへの記載が確認されていません。
イノシシに遭遇したときの正しい行動
絶対にやってはいけない4つの行動
イノシシは本来臆病な動物で、積極的に人を襲うことはありません。しかし、以下の行動はイノシシを興奮させる危険があります。
- ❌ 急に走って逃げる
- ❌ 大声を出す
- ❌ 石などを投げる
- ❌ 棒で追い立てる
犬の散歩中に遭遇した場合の注意点
犬を連れているとイノシシが攻撃してくる恐れがあります。犬の散歩中は特に十分な注意が必要です。
興奮しているイノシシのサインと安全な避難方法
興奮したイノシシのサインは「キバを鳴らす」「毛を逆立てる」などの行動です。このような状態のイノシシを見かけたら、速やかに避難してください。
- 落ち着いて、ゆっくりとイノシシから離れる
- ブロック塀の裏・建物の中などイノシシから見えない場所に入る
- 安全を確認してから環境企画課またはLINEで通報する
いわき市のイノシシ捕獲報償金制度(令和7年度)
制度の目的と対象者
いわき市では、イノシシの捕獲体制を維持し、生活環境被害等の拡大防止を図る観点から、イノシシ捕獲報償金交付制度を実施しています。対象となる方は以下のとおりです。
- 福島県猟友会(平支部・磐城支部・勿来支部)の会員でイノシシを捕獲した方
- 鳥獣捕獲等許可に基づきイノシシを捕獲した方
報償金の金額(捕獲許可・狩猟別)
| 捕獲方法 | 報償金(市) | 備考 |
|---|---|---|
| 鳥獣捕獲等許可による捕獲 | 1頭あたり12,000円 | 別途、協議会から成獣:最大8,000円・幼獣:最大1,000円が交付 |
| 狩猟による捕獲(成獣) | 1頭あたり20,000円 | — |
| 狩猟による捕獲(幼獣) | 1頭あたり13,000円 | — |
対象期間:令和7年4月1日〜令和8年3月31日
※狩猟による捕獲の場合に協議会から追加報償金が支払われるかどうかは、公式ページに記載がないため不明です。
申請に必要な書類と手順
報償金を受け取るには以下の書類を提出してください。
- イノシシ捕獲実績報告兼報償金請求書(両面印刷・裏面の同意書も必須)
- 計量伝票の原本(清掃センター搬入時に交付)
- 捕獲したイノシシの写真(解体前・足を下・頭を右・全体が入るように・日付入り・裏面に氏名記入)
- 振込先口座の登録に必要な書類3点(電子申請済みの方は不要)
清掃センターへの搬入方法・受付時間・注意事項
捕獲したイノシシは北部清掃センターまたは南部清掃センターへ搬入します。
- 市規格ごみ袋(15L〜45L)に入る程度の大きさに解体してから搬入
- 搬入受付時間:月曜〜土曜 8:30〜11:30 / 13:00〜16:30
- 祝日搬入の際は各センターへ事前確認(北部:0246-34-2301 / 南部:0246-56-7963)
- 処理手数料は無料
- 「鳥獣捕獲等許可証(従事者証)」「福島県の従事者証」「狩猟者登録証(狩猟期間内)」のいずれかを提示すること(提示がない場合は有料)
不正請求防止のための確認強化について
他自治体での不正請求事案の発生を受け、清掃センターではイノシシ搬入頭数の確認を厳格化しています。頭部と尻尾の数が確認できない状態での搬入は報償金が交付されない場合があります。解体の際は必ず頭部と尻尾が確認できる状態で搬入してください。
イノシシ用はこわな・センサーカメラの無料貸出制度
貸出の対象者・条件(わな猟免許が必要)
いわき市鳥獣被害防止対策協議会(事務局:農業振興課)では、イノシシを捕獲するためのはこわなを無料で貸し出しています。
- わな猟免許を有する方(はこわな・センサーカメラ)
- 農業者等(センサーカメラのみ)
貸出を希望する方は、前日までに「いわき市鳥獣被害防止対策協議会貸出しわな使用許可申請書兼誓約書(様式第1号)」にわな猟狩猟免許状の写しを添えて農業振興課へ提出してください。
はこわなのサイズ・保有台数・申請方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保有台数 | 147基 |
| サイズ | 縦100cm × 横100cm × 奥行200cm |
| 対象鳥獣 | イノシシのみ(他の目的での使用禁止) |
| 貸出状況の確認 | 農業振興課(0246-22-7479) |
※アライグマ・ハクビシン等の小型動物用わなの貸出については、環境企画課(0246-22-7441)へ問い合わせてください(窓口が異なります)。
センサーカメラの保有台数・申請方法
有害鳥獣の生息状況を撮影できるセンサーカメラも無料で貸し出しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保有台数 | 5台 |
| 申請方法 | 「センサーカメラ使用許可申請書兼誓約書(様式第1号)」に設置場所を示す地図を添えて農業振興課へ提出 |
貸出中の注意事項と返却方法
- はこわなはイノシシの捕獲以外の目的に使用しない
- 転貸(他人への又貸し)は禁止
- 破損・紛失した場合は使用者の責任で現状復旧
- 返却時は実績報告書で捕獲場所・捕獲頭数等を報告
- 第三者への損害が発生した場合は使用者が責任を負う
有害鳥獣捕獲許可の申請方法
いわき市長が許可できる鳥獣の種類
野生鳥獣は法律により保護されており、一般的に捕獲は禁止されています。農林水産業や生活環境への被害が防止できない場合に限り、例外として捕獲が許可されます。福島県知事の権限の一部がいわき市長に移譲されており、以下の鳥獣についてはいわき市長が捕獲を許可しています。
- イノシシ
- ハクビシン
- その他の狩猟鳥獣(カワウ・ニホンジカ・ツキノワグマは除く)
捕獲許可申請の手順と窓口
捕獲許可の申請窓口は環境企画課(0246-22-7441)です。申請には被害状況の説明・捕獲予定場所・捕獲方法などの記載が必要です。詳細は環境企画課へ直接お問い合わせください。
市長権限外の鳥獣(カワウ・ニホンジカ・ツキノワグマ)の相談先
以下の鳥獣については、いわき市長の捕獲許可権限の対象外です。いずれも福島県いわき地方振興局県民生活課(0246-24-6203)へご相談ください。
- カワウ・ニホンザル・ケガをした鳥獣
- ツキノワグマ・ニホンジカ
イノシシと豚熱(CSF)の関係
令和4年2月・いわき市内での感染確認の記録
令和4年2月24日、いわき市内で発見された死亡野生イノシシの豚熱(CSF)感染が確認されました。
豚熱とは、豚・イノシシの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。感染した豚・イノシシは唾液・涙・糞尿中にウイルスを排泄し、感染個体や汚染物品との接触により感染が拡大します。治療法はなく、家畜伝染病予防法の中で家畜伝染病に指定されています。
豚熱は人に感染しないが注意すべき理由
豚熱は豚やイノシシの病気であり、人に感染することはありません。ただし、畜産農家への影響が甚大なため、以下の点に注意が必要です。
- イノシシ等の野生動物が現れるおそれのある場所にごみを放置しない
- ごみ置き場などに野生動物が入らないよう対策する
死亡イノシシを発見したときの対応
死亡したイノシシを見かけた場合は、素手で触らず、環境企画課(0246-22-7441)へ連絡してください。
イノシシ被害を自分で防ぐための対策
農地を守るための電気柵・防獣ネットの選び方
一般的には、農地へのイノシシ侵入を防ぐには電気柵や防獣ネットの設置が全国的に広く行われています。
- 設置コストは高めだが抑止効果が高い
- 定期的なメンテナンス(雑草の除去など)が必要
- 農業振興課(0246-22-1147)で詳細相談が可能
- 電気柵より低コストで設置できる
- イノシシの体重で押し倒されないよう支柱の強度が重要
- 地面との隙間をなくす施工が必要
住宅周辺でできる誘引源の除去方法
以下の対策は、いわき市が公式に呼びかけている住宅周辺での誘引防止策です。
- 野菜くずなどを屋外に放置しない(イノシシの誘引につながる)
- 生ごみはしっかり管理する
- 収穫後の農作物の残渣(残りかす)を放置しない
- 竹やぶ・雑木林など隠れ場所になりやすい場所を整理する
- 家庭菜園周辺の見通しをよくする
餌付けが絶対にNGな理由
イノシシへの餌付けは絶対に行わないでください。餌付けをすると以下の問題が生じます。
- イノシシが人里に頻繁に出没するようになる
- 人を見ても逃げなくなる(危険性が大幅に増す)
- 周辺住民全体の安全を脅かすことになる
狩猟免許・猟友会との連携について
いわき市内の猟友会(平支部・磐城支部・勿来支部)の役割
いわき市のイノシシ捕獲体制は、福島県猟友会の3支部(平支部・磐城支部・勿来支部)と連携して実施されています。市が捕獲許可を発行し、猟友会会員が実際の捕獲を担う形で、人と野生鳥獣が共生できる社会の形成を目指しています。
狩猟免許取得を検討する場合の流れ
イノシシの捕獲に関わりたい・地域の鳥獣害対策に貢献したいという方は、狩猟免許の取得を検討することが一般的なステップです。
※いわき市内での狩猟免許試験の日程・申込先については、最新の公式情報が確認できていません。福島県や猟友会への直接問い合わせをおすすめします。
よくある質問
畑が荒らされた。すぐに市が駆除してくれる?
市がすぐに駆除に来るわけではありません。いわき市の制度は「捕獲許可の発行」「わなの貸出」「報償金の交付」が中心です。農業被害の場合はまず農業振興課(0246-22-7479)に相談し、被害状況に応じた対策(わなの設置・電気柵の導入等)を検討してください。
わなを借りるのに費用はかかる?
はこわな・センサーカメラの貸出はいずれも無料です。ただし、はこわなの貸出はわな猟免許を持っている方が対象です。
捕獲したイノシシはどう処分すればいい?
北部清掃センターまたは南部清掃センターへ搬入してください。市規格ごみ袋に入る程度の大きさに解体した上で搬入します。処理手数料は無料ですが、許可証等の提示が必要です。受付時間は月〜土の8:30〜11:30・13:00〜16:30です。
報償金はいつ振り込まれる?
報償金の振込時期については、いわき市公式ページに具体的な記載が確認されていません。申請後の振込スケジュールについては環境企画課(0246-22-7441)に直接お問い合わせください。
相談・通報先まとめ
| 相談内容 | 連絡先・電話番号 |
|---|---|
| イノシシ出没通報・捕獲許可申請 | 環境企画課 0246-22-7441 |
| わな貸出・センサーカメラ貸出 | 農業振興課(協議会事務局) 0246-22-7479 |
| 農業被害対策全般 | 農業振興課 0246-22-1147 |
| カワウ・サル等(市長権限外) | 福島県いわき地方振興局 0246-24-6203 |
| LINEでの通報 | いわき市公式LINE「スマホ市役所」 |